なぜ お金の運用が必要なのか?
結論から先に申し上げます。 自分や家族の生活を守るためであり、豊かな人生を迎えるために必要な事です。 単なるお金儲けの為ではありません。では根拠をご説明しましょう!
皆さん 「インフレ」って聞かれた事があると思います。大体の方は、「物の値段が上がる事でしょう」と答えます。正解ですが50点です。 えつ! なぜ50点? インフレには2つの側面があり、一つは上記の答えです。 もう一つの側面は「お金の値打ちが下がる事です」 お金というのは、物との交換価値でしょう!
例えば 1万円で アイスクリーム1個しか買えないのか? 100個買えるのか?
ここに3つの事例を出します (表 1)
1971年 50年前 | 2021年 | 上昇率 | |
ハガキ | 7円 | 63円 | 9倍 |
国立大学授業料:年間 | 36,000円 | 785,700円 | 21.8倍 |
公務員初任給:月額 | 80,500円 | 229,450円 | 2.8倍 |
ものによって違いますが、このように値上がり(インフレ)しているのです。 では,ハガキを例にとって話を進めます。
50年で9倍になったという事は、お金の価値で考えると 「50年で9分の1」になった 50年前ハガキ1枚7円で買えたのが、今は63円必要となった。お金が89%目減りした事になります。
例えば50年前 タンス預金を100万円していたとします。 そのまま継続して、現在も100万円あるとしたら、確かに額面は100万円ですが、物との交換価値は11万円分しかないという事です。
今の預金は、定期預金も含めてほぼタンス預金に近いのではないでしょうか? だからお金の価値を維持するには、インフレ率以上の運用が必要なのです。 では目減りしない為には、何%位で運用したらいいのでしょうか?
その為には、表面利回りと実質利回りを正しく理解する必要があります。 日本には欧米と違って、金銭教育が実施されてなかった影響で実質利回りの概念が浸透していないように思われます。ではなぜ金銭教育が実施されなかったのでしょうか? それは戦国時代からの「国民をあまり豊かにしてはならない」といったゆがんだ政治思想から生まれたようです。それを示す格言に「お金の話をするのは恥ずべき事」「金儲けは卑しい」「武士は食わねどたかようじ」等があります。 本題にはいります
仮に 国債100万円 年利率2% 源泉税税率20% インフレ率2%と仮定して
当初の投資金額 | 100万円 |
年利率(表面利回り) | 2% |
年間の利息収入 | 20,000円 |
源泉分離課税(20%) | -4,000円 |
税引き後の利息収入 | 16,000円 |
インフレ2%による目減り | -20、000円 |
実質の手取り金額(実質価値) | 996,000円 |
実質利回り | -0.4% |
表をご覧いただきましたら、お解りのように「実質利回り」はインフレによる目減りを考慮後の実質の価値から導きだされます。更に、この表からもお解りのように、インフレ率と同じ表面利回りでは、源泉税率分 実質価値は目減りするという事です。
では 実質価値で 2%増やそうと思ったら表面利回りが 何%必要でしょうか?
インフレ率が | 税率 20%として |
0%の場合 | 2,5% |
1%の場合 | 3,8% |
2%の場合 | 5,0% |
そうです。インフレ率2%としたら、貨幣価値を維持するだけでも2,5%が必要ですし、実質2%増やすためには、表面利回り5%の運用が必要となります。
では現在 日本の固定金利商品で5%の運用商品があるでしょうか? 1980年代は、6% 7%の定額貯金もありましたが、今は夢の中ですね。 しかし5%位の運用をしないと、実質価値が増えないとなるとどうしますか?
それは、世界に目を向ける事です。30年前に比べて、日本の株式マーケットは値上がりどころか、値下がり 又は横ばいです。
それに比べて、アメリカのNYダウ(株式マーケット)は10倍以上に成長しています。年率にして 8%位です。この株式マーケットを取り入れた運用商品に「投資信託」(通称「ファンド」ともいいます)があります。
投資信託の特徴は以下の3つからなります。 ①ファンドマネージャーと言われる運用のプロの力を活用できる事 ②分散効果(通常30~100社位の株式から組成) ③1万円以上の小口資金から始められる事。
更には、当社の方針として積立投資を推奨しております。一括投資だとリーマンショックのように大きく値を下げた場合、取り戻すのに5年以上要していますが、積立投資の魅力は下げた時は口数を多く買える事です。ファンドの評価額は=口数 × 基準価格ですから 口数を増やす事 = 評価額が増える事になります。 マーケットが下げた事によるストレスどころか ラッキーな訳です。 積立投資を5年、10年、20年と長期に実施する事によって年率5%の運用は充分可能ですし、10%以上の実績をもつお客様も多数いらっしゃいます。
次に「72の法則」について述べたいと思います。72の法則とは、元本を2倍にするには何年かかるのか?の法則です。例えば 年利率1%なら 72年間 72÷年利率で算出されます。1980年代の7.2%の定額貯金だと 10年で倍になりました。その頃なら運用も考えずに定額貯金に預けておけばよかったのです。しかし現代のネット銀行の定期預金金利でさえ 0.1%程度です これだと2倍にするのに720年もかかります。
しかしインフレは進行していますし、日本の借金1000兆円以上の財政状態や、年金受給者が益々増えて生産年齢人口が減少する人口構成等から判断して、状況は厳しくなる事は想定できても、良くなる要素は皆無に等しいでしょう!
従って、「自分や自分の家族の将来は自分達たちで守る そして豊かな人生を迎える」意識を強く持って、正しい金銭知識を身につけて、正しい運用判断をしていただくお手伝いをさせて頂いております。
最後に(表1)から言える事がもう一つあります。ハガキや授業料の値上がり率に対して、初任給の値上がり率は大きく見劣りします。そうです。物の値上がり率に対して、給料が上がっていない。従って日本人の所得水準は欧米に比べて大きく低下しました。分かりやすく言えば貧乏な国になったという事です。又は 生活が苦しくなったと。
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